「鬼滅の刃」関連CDでイスラム教に関する不適切な音声使用があったとして、CD回収が行われることになりました。
この音声(アザーン)使用は何故ダメだったのか、何が不適切だったのかについて調査しました。
問題になっているCD音源の動画も見つけましたので、これを機に理解を深めていけたらと思います。
もくじ
「鬼滅の刃」でイスラム教の音声が不適切使用

大人気アニメ「鬼滅の刃」の関連商品で、イスラム教への冒涜ととられる騒動がありました。
アニメ「鬼滅の刃(きめつのやいば)」の関連CDで、イスラム教に関する音声の不適切な使用があったとして、販売元のアニプレックスは2019年11月22日、CDを同梱する商品の出荷停止と回収を発表した。
引用元:J-CASTニュース
CD内の音源の一部で、モスクで礼拝を呼びかける「アザーン」が使用されていたことに対して、イスラム教徒を中心に海外で批判が集まっていました。
「アザーン使用を辞めてください」という内容のツイートが2,000以上もリツイート拡散されるほど。
その批判を受けて、アニプレックスや集英社が謝罪する事態となりました。
イスラム教の音声使用の問題点とは?

このニュースを見て「イスラム教の音声使用の何がダメだったの?」と思った方は多いハズ。(僕もその1人)
イスラム教のアザーンを調べてみると、不適切だと問題になった理由が分かりました。
問題になった鬼滅の刃のCD音源とは
冒頭の7秒付近から始まるアラビア語の音声が聞こえると思います。BGMではなく、男性の声です。
この男性の声は市販の音楽素材を使用して作られたそうです。
アラビア語で書かれたツイートでは「私たちの宗教的な儀式を音楽と混ぜるのは正しくない。」という旨の発言がたくさん見つかりました。
おそらく、曲の雰囲気を高めるためにBGMと合わせて使用されたのだと考えられます。
イスラム教でアザーンは特別な音声

CD音源に使用された男性の声は「アザーン」と呼ばれるものです。
アザーン(اذان adhān)は、イスラム教における礼拝(サラート)への呼び掛けのこと。ユダヤ教のラッパ、キリスト教の鐘と同じような役割をしているが、肉声で行われることに特徴がある。
引用元:Wikipedia
1日5回あるイスラム教徒の礼拝が「これから始まる」という呼びかけをアザーンと言います。
「アラーは偉大なり。アラーのほかに神はなし。ムハンマドは神の使徒。礼拝に来たれ」という内容で語られているそうです。
引用元:エイビーロード
イスラム教では、このアザーンと音楽を同時に鳴らすことは禁じられています。
イスラム教徒にとっては礼拝に関わるアザーンを、音楽曲(鬼滅の刃)に使用されたことで「冒涜されたのか?」と感じたのだと思われます。
アザーンを楽曲の中で使用することは、イスラム教にとって大問題
「鬼滅の刃」側がお詫びと在庫回収

アニプレックスは該当部分でのアザーン使用について「イスラム教ならびにイスラム教徒の方を傷つける、また冒涜する意図は決してございませんでした」と謝罪。
CDは出荷を停止し、店頭の在庫の回収を進める。希望者には、交換も受け付ける。
冒涜の意思はなかったとしても、アザーンの意味や内容を理解しないまま使用してしまったことは不適切と言われてしまうことだと思われます。
アラビア語がわからない僕にとっては、アザーンでの男性の声は非常に魅力的でオーラを感じました。
確かにBGMの雰囲気や権威を高めるには良かったのかも知れません。制作側もそう考えたのだと思います。
しかし、それを収録・発売するとなったらチェックするシステムも必要だったのかも知れないですね。